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チュニジア,トルコ 旅行記 -19-  憧れのアヤソフィア -8/7-
イスタンブール観光2日目.
今回の旅の1番の動機でもあったアヤソフィアを目指しました.
アヤソフィアにあるモザイク画のレプリカを作成してから,
ずっと憧れていたアヤソフィへの訪問がいよいよ実現します.
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アヤソフィアは,6世紀、当時世界の中心とも言えたビザンツ帝国の
膨大な財力のもと,ギリシャ正教の大聖堂として建てられました.
直径31mの中央の巨大ドームをアテネやエフェソスから運ばせた
ギリシャ様式の円柱が支えている.
当時の先端技術を駆使して建てられた最大級の建物は,ビザンツ建築の
最高傑作と評されています.
外壁は朱色で塗られ,少しゴツゴツした姿は,小ドームを重ねて
滑らかな輪郭に見える後世に建てられたイスラムの巨大モスクとは,
一線を画す.アヤソフィアとは、「聖なる叡智」の意味.
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その後,ビザンツ帝国は,15世紀にオスマン帝国にコンスタンティノー
プル征服され,完全に滅亡しました.アヤソフィアは,キリスト教の
聖堂としての機能を奪われ,イスラムのモスクに改築され,
メッカの方向を示すミフラーブや,アラーやムハンマドを示す巨大な
円板が設置されました.
20世紀にトルコ共和国が誕生してからは,
宗教性を持たない文化財として一般に公開されています.

ホテルからトラムを利用し10分程度でアヤソフィアに到着.
遂に目の前までやってきたんだという達成感とモザイク画の実物に
会える期待で心を膨らませながら,アヤソフィア内に入場しました.

まず,アラーやムハンマドを示す文字で飾られた巨大な円板が目に
飛び込んできました.アラビア語は読めないので,文字の意味は
分かりませんが,芸術的な美しさがありました.
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イスラムの文字が刻まれたステンドグラスも青や緑のガラスで
構成されていて美しかった.
また,天井ドームの多数の天窓から光が差し込み,
薄暗いアヤソフィア内部のあちこちを照らしているのが神秘的でした.
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聖堂の正面には,メッカの方向を示すミフラーブがありました.
後から設置されたので,大聖堂の正面から微妙にずれています.
その頭上には,聖母子象と大天使ガブリエルのモザイク画で
飾られていました.頭上遙かな位置にあったので,写真は上手に
撮れませんでしが,マリアの穏やかな表情とガブリエルの羽の美しさが,
逸脱でした.ちっちゃなオペラグラスを持っていって大正解.

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これらのモザイク画は,1931年にアメリカ人調査隊のX線透過検査で
漆喰の壁の中に存在する事が発見され,漆喰の壁を剥がしてみると
黄金に輝くモザイク画が表れたそうです.
時を越えビザンツ時代の文化が現代に甦った瞬間です.
偶像崇拝を禁止したイスラムの常套に反し、イスラムの征服者に
破壊されず一部でも残っていた事は奇跡に近く,
当時の調査隊の感動が私にも伝わってきました.

螺旋の通路を上がりテラスに出て右側に進んでいくと,
側壁に保存状態の良いモザイク画が点々と飾られていました.
一番奥の突き当たりにバイブルモザイクと玉ねぎ袋モザイクが
遂に姿を現しました.
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バイブルを手に持ったキリストとビザンチン皇帝と皇后が両脇に
並んでいます.このモザイク画は,教会にお金などの財産を寄進した
ビザンチン皇帝,皇后を讃えて,作られたそうです.
よく見ると顔の部分が作り直されているのがわかりますが,これは,
皇后ゾエが再婚をするたびに,数回,顔だけ作りなおされた
という逸話が残っています.

背景は黄金のピースで埋められていて神々しい輝きに包まれています.
周りのトーンより一段暗めなブルーのキリストの服も
とてもきれいでした.バイブルの背景は,私は黄色で作成したので
やさしい感じに仕上がりになりましたが,こちらは,黄金なので
シャープなイメージで,尊く厳格な印象を持ちました.
玉ねぎ袋は私の作品より布っぽい感じだったのと
ちょこんと持たれた玉ねぎ袋の
デザインがユーモラスでした.
 私の作品は,こちら 『バイブルモザイク』,『玉ねぎ袋モザイク
   
美術館で有名画家の本物の作品みると,写真や本では伝わらない良さ,
本物の持つパワーを体感する事が出来ますが,
このモザイク画もまさにその通りで,この場所でしか体験できない
輝きを放っていました.特にモザイク画は見る角度によって
光に反射するガラスの煌めきが変わるので,
この空間でしか味わう事の出来ない醍醐味がありました.

その他,絵画の様に顔に陰影をつけて表現されたキリストや,キリスト
を抱くマリアとビザンチン皇帝と皇后のモザイク画がありました.
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聖堂の中心で熟睡している猫ちゃんには,思わず笑ってしまいましたよ
なんで,こんな場所にいるの...
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今日は,クリスマスですね.メリークリスマス.
いつも旅行記を読んでくださりありがとう.
みんなみんな,しあわせなクリスマスを過ごせますように...
by kenek7974 | 2006-12-25 00:29 | チュニジア・トルコ旅行
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